【坐骨神経痛を深く知る – 解剖学・原因・臨床的考察】
◆ 坐骨神経とは(解剖学的解説)
坐骨神経は、腰椎(L4〜S3)から出る脊髄神経の束が合流して形成される末梢神経で、
お尻から太もも後面、膝裏、ふくらはぎ、足底部へと走行しています。
太さは鉛筆くらいあり、長さは70cm以上に及び、人体最大の末梢神経です。
梨状筋(りじょうきん)の下または中を通過
ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)との関係が深い
膝裏で脛骨神経と総腓骨神経に分かれる
◆ なぜ坐骨神経が痛むのか?(病態生理)
坐骨神経痛は“原因疾患に起因する放散痛”であり、症状そのものが病名ではありません。
主な機序(メカニズム):
神経圧迫による求心性疼痛(感覚線維への直接刺激)
神経根の炎症(椎間板の突出や組織の浸出液が化学的刺激に)
筋膜・筋緊張の持続的収縮に伴う関連痛(梨状筋など)
ようするに坐骨神経が何らかの原因で圧迫されたり
刺激を受けたりすると、痛みや痺れと言った症状が現れる状態を『坐骨神経痛』と呼びます。
代表的疾患:
腰椎椎間板ヘルニア:髄核が後方に突出し神経根を圧迫
◆ よくある関連症状
片側性の腰〜下肢の痺れや灼熱感 足首・足指の運動障害(足が上がりにくい・力が入らない)
長時間立位や歩行で悪化し、前屈や座位で緩和することがある
ひどい場合は**排尿・排便障害(馬尾症候群)**に発展することもあり、医療機関での精査が必要
◆ 整体によるアプローチの根拠
1. 筋・筋膜性因子へのアプローチ
梨状筋、外旋六筋群、大腰筋、腰方形筋、広背筋などの硬結に対する手技的リリース
筋膜の滑走性改善 → 神経への牽引・圧迫の軽減
2. 骨盤・腰椎のアライメント調整
骨盤の前傾・後傾・回旋ズレが神経の走行に影響を与える
腰椎の側弯・可動域制限を整え、神経圧迫の構造的要因を緩和
3. 神経モビライゼーション
坐骨神経・脛骨神経・腓骨神経に対する神経の滑走テクニックを応用
神経の可動性と周囲組織との癒着を解放することにより、症状を軽減
4. 自律神経・血流改善
慢性症状の場合、交感神経過緊張による血流障害・疼痛増強が併発
副交感神経優位な状態を誘導し、自然治癒力を高める
◆ 施術だけでなく、生活改善が重要
注意点とアドバイス:
座りすぎ・立ちっぱなしの回避:
1時間に一度の軽い運動 片足荷重・足を組む癖の見直し
寝具の見直し(柔らかすぎるマットレスはNG)
必要に応じて、**医療機関との連携(MRI・X線)**も提案
◆ まとめ:どこで神経が刺激されているのか?を見極めることがカギ
坐骨神経痛は一言でくくれない多因子的な症状です。
「どの部位で」「どんな原因により」神経が圧迫・刺激されているかを判断し、
整体では“筋肉・骨格・神経のバランス”を整えることで自然治癒を促すことが可能です。
店舗横に駐車場ありますが、タイミングにより
空きの無い場合はご容赦下さい。